塩田千春 水の記憶 2021 十和田市現代美術館蔵 © JASPAR, Tokyo, 2026 and Chiharu Shiota
⽚岡真実がセンター長を務める独⽴⾏政法⼈国⽴美術館 国⽴アートリサーチセンター(NCAR)は、⽂化審議会第3期⽂化経済部会の提⾔を受け、2025年度から⽇本の美術館コレクションの総体的な魅⼒を可視化する新事業「⽇本で⾒られるアート100選」を開始。3月27日より特設サイトにて「⽇本で⾒られるアート 100 選:⽇本の現代アート編」を公開する。

本事業は、日本国内にある優れたコレクションを総体的にとらえ、各地の美術館を訪れるきっかけを作りたいという思いから始動した。毎回ひとつのテーマを設けて「100 選」の選定と公開を継続していく予定で、第1回目となる今回のテーマは国際的にも注⽬を集めている「⽇本の現代アート」だ。1945年以降に制作された作品を対象に、全国の400ヶ所以上の美術館の学芸員の協力のもと推薦された約450点の作品から、選定委員会が協議を重ねて100の作品を選定した。
選定委員には、金井直(信州大学人文学部教授)、川浪千鶴(インディペンデント・キュレーター、元高知県立美術館企画監兼学芸課長)、木村絵理子(弘前れんが倉庫美術館館長)、島敦彦(国立国際美術館長)、関直子(早稲田大学文学学術院教授・埼玉県立近代美術館特任館長)、桝田倫広(東京国立近代美術館主任研究員)の6名が任命された。
選定にあたってはジェンダーバランスや地域的な多様性、制作年代など様々な観点から考慮され、男性55名・女性43名の作家が選ばれた(グループはカウントに含まず)。作品は32都道府県の美術館に所蔵されている。特設サイトでは、作品100点の画像、基本情報、解説、所蔵館リンクを閲覧できるほか、関連年表や、作者や所蔵館への取材記事などのコンテンツも公開予定だ。
選定された100作品の作家には、奈良美智、岡本太郎、村上隆、草間彌⽣、塩⽥千春、束芋、中谷芙二子、ルース・アサワ、若林奮、高松次郎、⽥部光⼦、山崎つる子、⽥中功起、⽚⼭真理、照屋勇賢などの名が並ぶ。






国立アートリサーチセンター長の片岡真実は、本プロジェクトへの思いを次のように語る。
ここで選定された100点は各美術館の学芸員や専門家の議論を経た結果ですが、その選定の過程では我が国の美術館に時代を代表する極めて優れた美術品が数多く収蔵されていることも改めて認識されました。日本の美術館の初期は、収蔵品を持たない展覧会会場としての役割が大きかったこともあり、歴史的にも「企画展」が重視されてきた傾向がありますが、近年ではその反省も含め、「コレクション展」の充実の必要性も指摘されています。本事業が、選ばれた100作品はもとより、それぞれの美術館に収蔵されているコレクションや「コレクション展」に改めて光を当てる機会となり、我が国の美術や美術館の豊かな歴史が、国内外に広く伝わっていくことを願うものであります。(プレスリリースより)
日本国内の美術館とそのコレクションの豊かさを実感し、各地の美術館へと誘う本事業。今後も様々な時代・ジャンルをテーマに継続的に展開される予定で、新たな視点から日本のアートに出会う機会となりそうだ。