左からクロード・モネ《睡蓮》(1907)、ピエール=オーギュスト・ルノワール《水浴する女》(1891) 出典:クリスティーズ公式ウェブサイト
11月17日、ニューヨークの国際的なオークションハウス「クリスティーズ」で開催された「20世紀イブニング・セール」において、今年3月に閉館したDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)の所蔵作品8点がオークションにかけられ、総額約150億円を超える高額落札を記録した。
DIC川村記念美術館は、DIC創業家2代目の故川村勝巳が収集した印象派から現代美術まで幅広いコレクションで知られ、とくに印象派コレクションは国内屈指の質を誇っていた。今回の売却により、これらの名作が世界各地の新たなコレクターや美術館に渡ることとなった。

もっとも活発な競り合いを見せたのは、マルク・シャガールの《ダビデ王の夢》(1966)。予想価格の800万〜1200万ドルを大幅に上回る2650万ドル(約41億円)で落札され、今回のオークションのハイライトとなった。

いっぽう、DIC川村記念美術館のコレクションのなかでとくに注目を集めていたクロード・モネの《睡蓮》(1907)は、予想落札価格の4000万〜6000万ドルをわずかに上回る4548万ドル(約70億5000万円)で落札された。
さらに、アンリ・マティス《椅子に座り、左手を頭の下に置いた裸婦》(1920)が予想価格を大幅に超える678万ドル(約10億5000万円)、ピエール=オーギュスト・ルノワール《水浴する女》(1891)が1041万ドル(約16億円)で、それぞれ新たな所有者の手に渡った。

今回のオークションは、DIC株式会社が発表した美術館コレクション売却計画の第一弾だ。同社は保有する美術品384点のうち約280点を段階的に売却する方針を明らかにしており、そのうち主要作品約80点をクリスティーズを通じて国際オークションに出品。11月20日まで続く今回のオークション・ウィークでは、計20点が出品される予定だ。

DIC川村記念美術館は今年3月末、これまでの佐倉市での美術館運営を終了。3月12日にDIC株式会社と公益財団法人国際文化会館は、アート・建築分野を起点とする協業に合意したことを発表。卓越した戦後アメリカ美術を中心とする20世紀美術品のコレクションを中核に東京・六本木の国際文化会館へと移転する。
コレクションを代表するマーク・ロスコの「シーグラム壁画」7点すべては、国際文化会館が建設する新西館へと移設し、建築ユニットSANAAが設計する常設展示室「ロスコ・ルーム」が開設される。新設「ロスコ・ルーム」はDICと国際文化会館が共同運営し、アート・建築の力によって民間外交・国際文化交流を推進する公益プログラムの充実を図る。詳細はこちら。