出光真子 Still Life 1993-2000 ミクスト・メディア
1995年に恵比寿ガーデンプレイス内に開館した東京都写真美術館。昨年に総合開館30周年を迎えた同館にて、2026年度に開催される展覧会のラインアップが公開された。
20世紀を代表するアメリカの写真家W. ユージン・スミスの「ロフトの時代」に焦点を当てる展覧会。1954年に『ライフ』誌を退いたスミスは、ニューヨーク・マンハッタンのアパート、通称「ロフト」に移り住み、マイルス・デイヴィス、サルバドール・ダリをはじめとする音楽家や芸術家と交流を持ちながら、写真の芸術的な可能性を探求した。本展では、「水俣」シリーズに代表されるその後の作品に影響を与えた1950〜60年代の活動にスポットを当てる初の展覧会。報道と芸術との融合を目指したスミスの知られざる一面を紹介する。
3万8千点を超える写真・映像の収蔵作品を独自の視点で紹介するコレクション展。今回は、「感触=ものに触れて感じること」をテーマに、AI時代における人間の共感覚と感性の可能性を考える。「感じること」の重要性を説いたブルース・リー(1940〜73)の言葉「Don't think. Feel.」を手がかりとし、五感を触発する作品を中心に、「家族写真の歴史民俗学」、「川内倫子Illuminance」、「記憶の部屋」など、5つのテーマで収蔵作品を紹介する。
実験映画、ヴィデオ・アートのパイオニア的な存在として知られる出光真子(1940〜)。近年はジェンダーや身体をめぐる国際的な議論の高まりとともに、その先駆的な実践が新たな注目を集めている。本展は、出光の創作活動の全貌を振り返る初の大規模な回顧展となり、初公開作品も出品。東京都写真美術館では、2016・2017年度に作家本人からフィルム・ビデオ全作品のデータおよび主要なインスタレーション作品を収集しており、今回の展覧会では、展示と上映を組み合わせながら、その収蔵作品全点を網羅的に展観する。
2026年度第2弾のコレクション展では、「食」をテーマに取り上げる。現代作家の写真・映像表現を中心に、食にまつわる多様な視点から制作された収蔵作品を展示し、明日の食卓を思考するきっかけを探る。写真愛好家や家族連れから、食と関係する職業の人、食に関心がある人まで、幅広い層の人々とともに「食べること」「生きること」を再考する展覧会となる。
写真家、榮榮&映里(ロンロン&インリ)が2007年に北京で設立した写真の複合施設である三影堂・厦門(アモイ)のチーフキュレーター、滕青云(テン・チンヤン)との共同企画による展覧会。現在の日本と中国を様々な観点から切り取った両国の新進・中堅作家を紹介する。2018年に続いてアジアの現代写真を紹介する本企画では、経済格差や自然災害、ジェンダーなどのテーマに注目する。
写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘する「日本の新進作家」展。今回で23回目を迎える。実際に存在した記憶や素材をもとに、AIやデジタル技術を用いて作品を制作する現代作家たちが、記憶、素材、技術などが持つコンテクストを制作において再構築するプロセスを探る。
「恵比寿映像祭」は、2009年の第1回開催以来、年に1度、展示や上映、ライブパフォーマンス、トークセッションなどのイベントを複合的に行う映像とアートの国際フェスティバル。映像分野における創造活動の活性化と、優れた映像表現やメディアの発展を継承し、共有する場となっている。2027年で19回目を迎える。
「個と社会」あるいは「他者」について、写真でしかできない手法を通して追求してきた写真家・北野謙(1968〜)。本展では、「光を集める」プロジェクトと長時間露光による作品シリーズを中心に光を当てる。赤道と北極圏を含む地球上の各地に半年〜1年間カメラを設置し、冬至―夏至の太陽の軌跡を焼き付ける同プロジェクトの新作・完成版が見どころとなる。